人間関係ゲームの「カモ」になっていませんか?
人が生きていくうえで、切っても切れないのが人間関係。そして、ストレスがつきものです。ストレスを感じる相手とうまく距離を置ければいいのですが、職場の人や身内だと、そうもいきませんよね。そんな相手に対し、ひたすら我慢するしかないのでしょうか。
本書の著者の高品孝之さんは、30年間、教育現場で働きながら、さまざまな人間関係のトラブルに向き合ってきました。その解決の困難さから、心理学を学び、その手法を用いるようになったそうです。
著者によると、不快な人間関係、コミュニケーションにはパターンがあるそうです。それを「ゲーム(ゲーム理論)」といいます。人間関係はルールに基づいて構築されているのですが、そこに「ゲーム」が生じてしまうことで、敵対関係が生まれ、不快な関係性になってしまうことに。そこで、スポーツのように、人間関係の「ゲーム」を知り、対策を練ることで、嫌な人、相性が悪い人とのコミュニケーションを上手にとることができるようになります。
「ゲーム」を終了させる方法には4つあります。
“(1)ミスをしない (2)仕掛け人の否定的な気持ちに反応しない (3)大人の対応を心掛けて事実を告げる (4)ゲームの場から離れる”
まず、(1)であれば、自分がミスをしなければ、仕掛け人にゲームを始めることができません。(2)は、仕掛け人の否定的な気持ちが攻撃的な気持ちに変わらないように気をつけて、ゲームを行わせない方法。(3)は、感情に左右されず、相手に事実を認識してもらい、ゲームを終わらせる方法です。そして、(4)は、ゲームが起こりそうになったら、その場から離れることで、抜け出します。
この4つの方法を、場面に合わせて使うことで、「ゲーム」をはじめさせない、もしくは終わりにさせることができます。
たとえば、「責任転嫁」ゲーム。
自分の過ちを認めずに相手のせいにする人間関係ゲームです。
本書で紹介されている例は、夫婦関係。美子さん(カモ)は、息子の一郎君が深夜に帰宅することや、成績が下がっていることに気をもんでいます。夫の亮介さん(仕掛け人)に相談しますが、「お前に任せる」という返事。学校の担任からも、両親が力を合わせて対応することが望ましいと助言されます。しかし、亮介さんは「すべて美子さんが悪い」と、逃げる一方です。
こんな時は、「(3)大人の対応を心掛けて事実を告げる」が功を奏します。父親がかかわらなければ子どもの非行が収まらないデータを亮介さんに示すのです。また、「(2)仕掛け人の否定的な気持ちに反応しない」も有効な手段になります。「あなたの豊富な体験があの子には必要」と、夫の優越感を満たしてあげるのです。
さらに本書では、ゲームの仕掛け人やカモの心理、どんな状況でゲームが進行していくのかも分析されています。当事者になってしまうと見えないことがたくさんありますが、ロールプレイングゲームをしているような客観的な目線で状況を分析することで、解決することができます。
紹介されている事例は、思わず「いるいる!こういう人」と言いたくなるようなものばかり。人間関係にストレスを抱えている人おすすめです。(中山寒稀)
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